キャッシュレス決済の中でも、圧倒的な知名度を獲得しているクレジットカードとマイナーなデビットカード。「どこが違うの?」と疑問に思う人もいるはず。実際、クレジットカードとデビットカードには大きな違いが存在し、重要なのにあまり知られていない場合もある。そこで、違いを徹底解説する。最終的にどちらのカードがおすすめかも紹介するので、参考にしてほしい。
支払方法が違う
クレジットカードとデビットカードで最も注意すべき違いは、「支払方法」だ。クレジットカードの場合、カード利用金額の引き落としは後日行われる。一方、デビットカードは即時引き落としとなる。
例えば、銀行口座に10万円の残高があるケースを想定する。クレジットカードを利用する場合、10万円を超える買い物をしても、引き落としは後日なので、それまでに追加で入金して用意すればいい。しかし、デビットカードの場合、10万円以内の商品しか購入できない。
つまり、デビットカードでは残高以上の買い物ができないということ。クレジットカードのように、「今月こんなに使ったっけ?」となる事態には絶対にならないので、無駄遣いしにくいといえる。
審査の有無が違う
クレジットカードを発行する場合、カード会社の審査が必要となる。デビットカードは厳しい審査が存在せず、年齢制限・口座開設をクリアすれば利用が可能だ。
ポイント制度が違う
クレジットカードを発行するメリットの一つとして、利用した分に応じてポイントが還元されるということが挙げられる。デビットカードには、ポイント還元が存在しないケースが多く、クレジットカードのような還元が期待できない。
例えばポイント還元率1%のクレジットカードと、ポイント制度なしのデビットカードを比較してみよう。毎月5万円を使った場合、クレジットカードだと500ポイントが還元される。デビットカードは、ポイントがたまらない。年単位で比較すると、6000ポイントの差が出る。カードを利用して、なおかつポイントもためたいのであれば、クレジットカードがおすすめだ。
デビットカードの基本的な仕組み
デビットカードならではの特長は、以下の4点です。
1.利用限度額=口座残高であるため、使いすぎを防げる
デビットカードのご利用可能額は引き落とし口座の残高なので、使いすぎを防止する効果があります。ご利用可能額を設定することもできるので、15歳以上(中学生除く、発行会社により異なる)の未成年者やカードに慣れていない高齢者でも安心して利用できます。
2.利用するとポイントがついておトク
デビットカードの中には、利用金額に対してポイントの付与や、キャッシュバックのあるカードがあります。利用するほどポイントやキャッシュバックで還元されるので、現金で支払うよりもおトクであると言えるでしょう。
3.利用のたびにメール通知
デビットカードを利用すると、つどメールにて利用された旨が通知されます。万が一不正に利用されたときでも、すぐに気づくことができて安心です。
4.海外ATMで現地通貨を引き出せる
デビットカードを海外ATMで使用すると、現地通貨を引き出すことができます。両替の手間が省けて便利です。
クレジットカード、プリペイドカード(電子マネー)との違いまとめ
デビットカードと似ているクレジットカード、プリペイドカード(電子マネー)との違いや、デビットカードならではのメリットについて説明します。
・クレジットカード
クレジットカードは、月1回の支払日にまとめて支払う仕組みのカードです。支払い方法は一括払いだけでなく、分割払いやリボ払いも選べます。また、ATMから現金を引き出せるキャッシング機能がついているクレジットカードもあります。
対してデビットカードは、使用するたびに引き落とし口座から即時引き落としがされます。また、支払い方法は一括払いのみで、キャッシング機能はついていません。
・プリペイドカード(電子マネー)
プリペイドカード・電子マネーは、利用金額を事前にチャージして利用できるカードです。チャージ金額を超えて使用することはできないので、無駄遣いをしにくいです。
対してデビットカードは、事前にチャージする必要がなく、引き落とし口座から直接引き落とす仕組みです。口座残高、またはご利用可能額以上は利用できないので、無駄遣いしにくい点はプリペイドカード・電子マネーと共通しています。
デビットカード | クレジットカード | プリペイドカード | |
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JCBデビットなどの 国際ブランド付きデビットカード |
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振替方法 | 即時振替 | 後払い | あらかじめチャージ |
発行対象 | 原則15歳以上(中学生除く) | 原則18歳以上 安定した収入がある方(例外あり) |
原則制限なし |
利用可能時間 | 原則、24時間、365日 利用可※一部利用不可時間の あるカードあり |
24時間、365日 利用可 |
24時間、365日 利用可 |
利用加盟店 | 原則、全世界の国際ブランド加盟店 | 原則、全世界の国際ブランド加盟店 | 原則、全世界のブランド加盟店 (JCBの場合は、加盟店数約3,000万店) |
ポイント・ キャッシュバック |
原則あり | 原則あり | カードによる |
ポイント還元で得したいならクレジット、使い過ぎが心配ならデビット
「キャッシュレス・ポイント還元事業」でポイント還元率が高くなっていることを踏まえると、デビットカードにもメリットはあるものの、クレジットカードの方がお得感を得られるだろう。どちらか一方のみなら、個人的にはクレジットカードを持っていた方が無難と考えています。